使用済み自動車のリサイクルにおけるコストモデルに関する研究


指導教官  足立芳寛 教授  梶川義明 助教授    96637 山本 和幸


【緒言】

現在、国内で発生する使用済み自動車は年間500万台程度にのぼり、資源問題はもとより環境保全の観点からそのリサイクルが重要な課題となっている。既に使用済み自動車の大部分はリサイクル関係事業者の努力などにより回収され、リサイクル率は75%に達している。しかしながら、シュレッダーダストからの鉛の溶出問題により埋立処分規制が強化され、最終処分場が逼迫し埋立処理費用が急激に高騰していると同時に、シュレッダー加工された原材料(鉄屑)の価格は日々刻々と安くなっているため、使用済み自動車の逆有償化が一般的となっており、不法投棄や不適正処理問題の原因となっている。このような状況の中で使用済み自動車の適正処理が行われるには、経済的かつ高リサイクル率を達成する合理的なリサイクルシステム確立が不可欠である。そこで、実体経済に即したモデルによるシミュレーションを行い、リサイクル率向上のためのコスト最適化を図ることを本研究の目的とする。

【方法】

使用済み自動車の適正処理が行われ、リサイクル率が向上するためには、設計・製造段階であるメーカーによる解体・リサイクルしやすい構造と材料への開発投資が必要である。また、同時に解体業者・シュレッダー業者による徹底的な部品再利用や処理技術向上といった処理段階への投資も必要である。そこで、以下のようなリサイクルモデルを構築し、各段階での物量および経済の流れを調査することにより、どの業者にどのくらい投資することが最も効率的にリサイクル率向上を図れるかをシミュレーションすることにした。







具体的な方法としては、部品リサイクル量とメーカー・解体業者による投資の相関関係(@式)、鉄リサイクル量および非鉄リサイクル量とシュレッダー業者による投資の相関関係(A式およびB式)を求め、左記定義式によるリサイクル率の向上を図る。その上で最終的に誰かが負担しなければならなくなる投資総額をリサイクルシステム全体で最小化することが本研究の着眼点であり目的である。


【今後の方針】

各企業・業界団体等にヒアリングを行い、実際の物量的・経済的流れを調査する。それと平行して文献・インターネット等でデータ集めをする。それをもとにコスト的に最適な解を求めた上で、現状での最適解を求め、さらに将来の自動車リサイクルシステムのあり方を考える。




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